1.大学ランク別学部卒業生総数
これまで当ブログでは、島野清志氏の大学序列区分などをもとに数値算出を行ってきましたが、今回お世話になるのはサイト『日本の学歴 -知っておきたい日本の大学ランキング-』様の「学歴ランク」です。
こちらのランキングにおかれては「入試難易度と同じくらい大手民間企業への就職力を重視して作成されています」とのことで、その観点から大学全体をS級・A級・B級・C級・D級・E級・F級の7段階に大別し、さらにS級~D級については上位・中位・下位と細分化し、ランキングを作成されています。それぞれのランキングの区分の視点と具体的な大学・大学群の置き方について、各々詳細に作成者様の意図や考えを述べられており、読み手との意見の相違があったとしても、作成者様の誠実な説明の上にランキングの線が引かれています。それらの解釈に納得したため、今回、こちらの枠組みを利用させて頂きました。
さて、このランキングを一覧図にしたのが以下の図です。今後とも定期更新や随時修正されるとのことで、このランキングは2022年1月23日時点のものとなっています。
就職を重視したこのランキングに基づき、当ブログではまず各大学の進路別卒業生数を当てて積算を行いました。枠組みを使用させて頂きますが、S級~D級までをさらに上中下で分けた15階層での表示は流石に細かいので、各級ごととしました。ただし、D級については対象が多く、また、上位と中位でいわゆる「日東駒専」「産近甲龍」の範囲、下位が「大東亜帝国」「摂神追桃」と段階に差のあるとみられる大学群の範疇で分割できることから、「D級上位・中位」と「D級下位」との2階層に分けました。さらに、E級とF級は区分はBF(ボーダーフリー)か否かとはされているものの、具体的な大学名が分からないため「E級・F級」と統合したカテゴリーとしました(入試が細分化されている中で全ての試験種が河合塾によるボーダーフリーとなっている大学は希少だとは思う)。
加えて、ランク表の注釈として「医・歯・薬・獣医、芸術関係等の学部は除く」とされているため、「医・歯・薬・獣医」としてこれらの六年制課程(および薬学部の四年制課程)で一つのカテゴリーとして別計上し、芸術学部・美術学部・音楽学部・造形学部などの芸術系学部も「芸術関係」として別計上しました(学部の属性については駿台予備校による大学系統を参考にしました)。さらに、ランク表では各地の公立看護大学等や聖路加国際大学などの一定の難度のある医療系大学が表記されていないため、医・歯・薬・獣医と同様の扱いとされているものとして「看護・保健」として新たなカテゴリーを設けました。一方、芸術関係と同様に実技系の色合いの濃い体育学部やスポーツ科学部といった学部についても「体育関係」として独立のカテゴリーを設けました。
以上のように、大学別かつ一部で学部等ごとに切り分けも必要とするため、各ランク階層ごとの卒業生数積算にあたっては旺文社『大学の真の実力 情報公開BOOK』2021年度入試用(2020年9月)をもとに、2020年3月卒の大学学部新卒者について学部単位での「卒業生総数」(およびその内訳の「進学者数」「就職者数」「臨床研修医数」「公務員就職者数」「教員就職者数」)をもとにしました(最新データとしては2021年3月卒のが刊行済みですが当ブログにおいて入力作業が終わっていないため入力済みだった2020年3月卒のを使いました。ご容赦下さい)。
以上の7の階層カテゴリーと序列外の4つのカテゴリーを国立・公立・私立の設置別に卒業生数の規模を集計したのが下図です。なお、当ブログでの集計の結果、2020年3月の学部卒業者数は57.2万人(572,357人)となりました。なお、文部科学省の『学校基本調査』による2020年3月の学部卒業者数は573,947人となっており、集計結果は統計値より1,590人少なく差異は-0.3%となり、完全に再現はできなかったもののほぼ現実に対して確からしい規模の値にはなっているかと考えます。
さて、このバブル図でみると最大勢力は「大東亜未満」といえる私立のE級・F級のカテゴリーで11.6万人を占めています。ついで「日東駒専・産近甲龍」らにあたる私立のD級上位・中位で9.2万人、さらに「上理ICU・GMARCH・関関同立」らの私立のB級が6.5万人などとなっています。国立では新制地方国立大学(いわゆる「駅弁」)が多いC級が3.4万人の卒業生となっています。
【『日本の学歴』の「学歴ランク」に基づく当ブログでの大学階層区分】(2022年1月23日閲覧時点)
●:国立大学、▲:公立大学、○:私立大学
〔S級〕
●東京大学、●京都大学、●一橋大学、●東京工業大学
〔A級〕
●大阪大学、●名古屋大学、●東北大学、○慶應義塾大学、○早稲田大学、●神戸大学、●北海道大学、●九州大学
〔B級〕
●筑波大学、●横浜国立大学、●東京外国語大学、●お茶の水女子大学、▲大阪市立大学、▲大阪府立大学、▲国際教養大学、○上智大学、○国際基督教大学、○東京理科大学、●千葉大学、●電気通信大学、●東京農工大学、●名古屋工業大学、●京都工芸繊維大学、●広島大学、▲東京都立大学、▲名古屋市立大学、▲京都府立大学、○明治大学、○立教大学、○青山学院大学、○同志社大学、●岡山大学、●金沢大学、●東京学芸大学、●奈良女子大学、▲神戸市外国語大学、○中央大学、○関西学院大学、○立命館大学、○法政大学、○関西大学、○学習院大学、○芝浦工業大学、○豊田工業大学
〔C級〕
●熊本大学、●九州工業大学、●東京海洋大学、●埼玉大学、●滋賀大学、●静岡大学、●信州大学、▲横浜市立大学、○津田塾大学、○成蹊大学、●新潟大学、●小樽商科大学、●岐阜大学、●三重大学、▲兵庫県立大学、▲都留文科大学、▲愛知県立大学、○成城大学、○明治学院大学、○東京女子大学、○日本女子大学、○南山大学、●岩手大学、●宮城教育大学、●山形大学、●茨城大学、●宇都宮大学、●群馬大学、●富山大学、●福井大学、●山梨大学、●愛知教育大学、●京都教育大学、●大阪教育大学、●和歌山大学、●山口大学、●徳島大学、●香川大学、●愛媛大学、●長崎大学、●鹿児島大学、▲高崎経済大学、○東京電機大学、○東京都市大学、○工学院大学、○國學院大學、○武蔵大学、○北里大学、○東邦大学、○西南学院大学
〔D級上位・中位〕
●北海道教育大学、●弘前大学、●秋田大学、●福島大学、●豊橋技術科学大学、●奈良教育大学、●鳥取大学、●島根大学、●高知大学、●福岡教育大学、●佐賀大学、●大分大学、●宮崎大学、▲群馬県立女子大学、▲前橋工科大学、▲新潟県立大学、▲石川県立大学、▲福井県立大学、▲静岡県立大学、▲滋賀県立大学、▲広島市立大学、▲北九州市立大学、▲福岡女子大学、▲熊本県立大学、○近畿大学、○日本大学、○東洋大学、○文教大学、○名城大学、○立命館アジア太平洋大学、○京都女子大学、○同志社女子大学、●室蘭工業大学、●帯広畜産大学、●北見工業大学、●長岡技術科学大学、●上越教育大学、●兵庫教育大学、●鳴門教育大学、●琉球大学、▲公立はこだて未来大学、▲宮城大学、▲会津大学、▲山梨県立大学、▲奈良県立大学、▲島根県立大学、▲岡山県立大学、▲県立広島大学、▲福山市立大学、▲尾道市立大学、▲山口県立大学、▲下関市立大学、▲高知県立大学、▲高知工科大学、▲福岡県立大学、▲長崎県立大学、○獨協大学、○駒澤大学、○専修大学、○東京経済大学、○神田外語大学、○玉川大学、○神奈川大学、○立正大学、○二松學舎大学、○聖心女子大学、○学習院女子大学、○昭和女子大学、○大妻女子大学、○共立女子大学、○千葉工業大学、○愛知大学、○中京大学、○京都産業大学、○甲南大学、○龍谷大学、○関西外国語大学、○京都外国語大学、○大阪経済大学、○大阪工業大学、○佛教大学、○武庫川女子大学、○神戸女子大学、○神戸女学院大学、○福岡大学
〔D級下位〕
●筑波技術大学、▲釧路公立大学、▲公立千歳科学技術大学、▲札幌市立大学、▲青森公立大学、▲岩手県立大学、▲秋田県立大学、▲富山県立大学、▲公立小松大学、▲公立諏訪東京理科大学、▲長野大学、▲長野県立大学、▲福知山公立大学、▲公立鳥取環境大学、▲山陽小野田市立山口東京理科大学、▲宮崎公立大学、▲名桜大学、○大東文化大学、○東海大学、○亜細亜大学、○帝京大学、○国士館大学、○摂南大学、○神戸学院大学、○追手門学院大学、○桃山学院大学、○北海学園大学、○北星学園大学、○東北学院大学、○新潟国際情報大学、○金沢工業大学、○金沢星稜大学、○武蔵野大学、○拓殖大学、○産業能率大学、○東京農業大学、○東京家政大学、○跡見学園女子大学、○実践女子大学、○清泉女子大学、○白百合女子大学、○関東学院大学、○フェリス女学院大学、○千葉商科大学、○愛知学院大学、○名古屋外国語大学、○名古屋学芸大学、○愛知淑徳大学、○椙山女学園大学、○金城学院大学、○愛知工業大学、○ノートルダム清心女子大学、○安田女子大学、○広島修道大学、○広島工業大学、○福岡工業大学
〔E級〕
Fランク大学(BF大学除く)=例:「関東上流江戸桜」など
〔F級〕
BF(ボーダーフリー)大学
〔医・歯・薬・獣医〕
医(六年制課程)・歯(六年制課程)・薬(六年制課程および四年制課程)・獣医(六年制課程)
〔看護・保健〕
看護・保健・医療・栄養・リハビリテーションなどの学部(医学部や歯学部の四年制課程を含む)
〔体育関係〕
体育・スポーツなどの学部
〔芸術関係〕
芸術・音楽・美術・造形などの学部
この57.2万人の階層別の構成比をみると下図のとおりとなります。
描いていること自体は上のバブル図と同様なのですが、ここでは個別の構成比だけではなく、時計回りに累積としても見てらえればと思います。E級・F級は全体の20.2%を占めて大きな勢力ではあります。しかし、「東京一工」を指すS級から累積で見ていくと、S級は大卒生全体の上位1.3%、さらにS級+A級(「地方旧帝&早慶」)となると6.3%、B級まで含めると上位21.4%となります。つまりGMARCH・関関同立+金岡千広までで大卒生の5人に1人を占めるということになります。さらに日東駒専・産近甲龍レベルに当たるD級上位・中位まで含めると上位52.1%となり、大卒生の過半数を占めることとなります。D級下位以下、いわゆる「大東亜以下」となると上位から半分より下、それだけでなく専門技能や特殊技能をもつ序列外の大学の卒業生もD級下位より上だとすると、「大東亜以下」は上位約70%を抑えられた下ということになります。D級下位単体ですと約10%ありますので、「大東亜未満」のE級・F級は大学生全体の上位約80%を抑えられた下ということになります。
E級・F級が横並びの仲間は多いと思っていても、累積でみると少数派になるという当事者の自認ことが大切だと思うのです。
2.進路ごとの大学ランク階層の構成比
さて、先に示した通り旺文社の資料ではデータとして、卒業生総数ともに就職者数、進学者数、臨床研修医数、公務員就職者数、教員就職者数が掲載されています。この定義は文部科学省の「学校基本調査」で各大学に求められている報告事項と同じものとなっているようです。
このデータから、各進路に占める各階層の卒業者数をみてみます。なおここで「民間就職者数」と「その他」は以下のように算出しました。
民間就職者数=就職者数-(公務員就職者数+教員就職者数)
その他=卒業生総数-(就職者数+進学者数+臨床研修医数)
後でも示しますが、進路として最大閥である民間就職者の階層別比率傾向は全卒業生の傾向とほぼ同様です。
公務員就職については、『日本の学歴』でも記されていますように「基本的に公務員試験の合否に、在籍・出身大学の学歴ランクが影響することはない」んですが、集計結果からすると、卒業生総数に占める割合に比べ公務員就職者数での割合がB級・C級・D級上位・中位では大きくなっているのに対して、D級下位やE級・F級ではむしろ小さくなっています。民間就職での学歴フィルターなど関係なく下位大学が逆転できる公務員就職なのに、現実では下位大学はそこで追い付けず、むしろ上位に離されているのが窺われます。
一方で、教員就職者では、国立大学の教員養成課程も多いC級やD級上位・中位の割合も高いのですが、E級・F級の割合が高くなっているのが特徴です。E級・F級に含まれる教員就職者数の多い大学としては、岐阜聖徳学園大学(294人)、明星大学(219人)、鎌倉女子大学(217人)、秀明大学(189人)、白鷗大学(189人)、四天王寺大学(175人)、常葉大学(173人)、十文字学園女子大学(173人)、神戸親和女子大学(159人)、東北福祉大学(156人)、聖徳大学(151人)、大阪大谷大学(143人)、東京福祉大学(138人)、大和大学(136人)、筑紫女学園大学(133人)、名古屋女子大学(123人)、創価大学(123人)、畿央大学(122人)、皇學館大学(117人)、京都橘大学(101人)などが挙がります(数字は「医・歯・薬・獣医」「看護・保健」「体育関係」「芸術関係」らの学部からを除く教員就職者数)。
大学院等への進学者数については、S級・A級・B級という上位大学群で進学者数の半分近くを占めています。
3.大学ランク階層別進路構成
今度は、国立・公立・私立の大学設置別に進路別の卒業生の割合をみると以下のとおりです。大学全体では学部卒業生の約7割が民間就職となっており最大の進路となっています。
私立大学では76.9%が民間就職者であり、大学を出て民間企業等に勤める人がおおよそ4人中3人を占めいることになります。
他方、国立大学では民間就職者は40.7%であり、大学を出て民間企業等に勤める人が卒業生の半分もいないということです。大学院等への進学者が32.8%でおよそ3人に1人、公務員就職者+教員就職者+臨床研修医で20.5%でおよそ5人に1人という進路になっています。
一方、S級~F級の階層別に進路をみると以下のとおりです。東京一工のS級では学部卒業生の52.9%と過半数が大学院等へ進学しており、民間就職は34.6%と3人に1人程度に留まっています。地帝・早慶のA級では民間就職が52.3%と過半数になり、進学が34.2%と3人に1人程度となっています。
階層が下がるにつれて、民間就職の率が高まり進学の率が低くなってきますが、C級については公務員就職と教員就職の割合が他の階層より高くなっている特徴があります。
さらに、設置別かつ階層別に分けてみると、国立大学では階層が下がるにつれて進学の割合が下がっています。民間就職の率はそれほど階層別に差が無い一方で、公務員就職・教員就職の比率が階層が下がるごとに拡大していっています。
私立大学では、民間就職の割合が高止まりのまま、階層が下がるごとに進学と公務員就職の割合が低下しています。一方で階層が下がるごとに教員就職の割合が少しづつ高まっている傾向がみられます。
これまで当ブログでは、島野清志氏の大学序列区分などをもとに数値算出を行ってきましたが、今回お世話になるのはサイト『日本の学歴 -知っておきたい日本の大学ランキング-』様の「学歴ランク」です。
こちらのランキングにおかれては「入試難易度と同じくらい大手民間企業への就職力を重視して作成されています」とのことで、その観点から大学全体をS級・A級・B級・C級・D級・E級・F級の7段階に大別し、さらにS級~D級については上位・中位・下位と細分化し、ランキングを作成されています。それぞれのランキングの区分の視点と具体的な大学・大学群の置き方について、各々詳細に作成者様の意図や考えを述べられており、読み手との意見の相違があったとしても、作成者様の誠実な説明の上にランキングの線が引かれています。それらの解釈に納得したため、今回、こちらの枠組みを利用させて頂きました。
さて、このランキングを一覧図にしたのが以下の図です。今後とも定期更新や随時修正されるとのことで、このランキングは2022年1月23日時点のものとなっています。
就職を重視したこのランキングに基づき、当ブログではまず各大学の進路別卒業生数を当てて積算を行いました。枠組みを使用させて頂きますが、S級~D級までをさらに上中下で分けた15階層での表示は流石に細かいので、各級ごととしました。ただし、D級については対象が多く、また、上位と中位でいわゆる「日東駒専」「産近甲龍」の範囲、下位が「大東亜帝国」「摂神追桃」と段階に差のあるとみられる大学群の範疇で分割できることから、「D級上位・中位」と「D級下位」との2階層に分けました。さらに、E級とF級は区分はBF(ボーダーフリー)か否かとはされているものの、具体的な大学名が分からないため「E級・F級」と統合したカテゴリーとしました(入試が細分化されている中で全ての試験種が河合塾によるボーダーフリーとなっている大学は希少だとは思う)。
加えて、ランク表の注釈として「医・歯・薬・獣医、芸術関係等の学部は除く」とされているため、「医・歯・薬・獣医」としてこれらの六年制課程(および薬学部の四年制課程)で一つのカテゴリーとして別計上し、芸術学部・美術学部・音楽学部・造形学部などの芸術系学部も「芸術関係」として別計上しました(学部の属性については駿台予備校による大学系統を参考にしました)。さらに、ランク表では各地の公立看護大学等や聖路加国際大学などの一定の難度のある医療系大学が表記されていないため、医・歯・薬・獣医と同様の扱いとされているものとして「看護・保健」として新たなカテゴリーを設けました。一方、芸術関係と同様に実技系の色合いの濃い体育学部やスポーツ科学部といった学部についても「体育関係」として独立のカテゴリーを設けました。
以上のように、大学別かつ一部で学部等ごとに切り分けも必要とするため、各ランク階層ごとの卒業生数積算にあたっては旺文社『大学の真の実力 情報公開BOOK』2021年度入試用(2020年9月)をもとに、2020年3月卒の大学学部新卒者について学部単位での「卒業生総数」(およびその内訳の「進学者数」「就職者数」「臨床研修医数」「公務員就職者数」「教員就職者数」)をもとにしました(最新データとしては2021年3月卒のが刊行済みですが当ブログにおいて入力作業が終わっていないため入力済みだった2020年3月卒のを使いました。ご容赦下さい)。
以上の7の階層カテゴリーと序列外の4つのカテゴリーを国立・公立・私立の設置別に卒業生数の規模を集計したのが下図です。なお、当ブログでの集計の結果、2020年3月の学部卒業者数は57.2万人(572,357人)となりました。なお、文部科学省の『学校基本調査』による2020年3月の学部卒業者数は573,947人となっており、集計結果は統計値より1,590人少なく差異は-0.3%となり、完全に再現はできなかったもののほぼ現実に対して確からしい規模の値にはなっているかと考えます。
さて、このバブル図でみると最大勢力は「大東亜未満」といえる私立のE級・F級のカテゴリーで11.6万人を占めています。ついで「日東駒専・産近甲龍」らにあたる私立のD級上位・中位で9.2万人、さらに「上理ICU・GMARCH・関関同立」らの私立のB級が6.5万人などとなっています。国立では新制地方国立大学(いわゆる「駅弁」)が多いC級が3.4万人の卒業生となっています。
【『日本の学歴』の「学歴ランク」に基づく当ブログでの大学階層区分】(2022年1月23日閲覧時点)
●:国立大学、▲:公立大学、○:私立大学
〔S級〕
●東京大学、●京都大学、●一橋大学、●東京工業大学
〔A級〕
●大阪大学、●名古屋大学、●東北大学、○慶應義塾大学、○早稲田大学、●神戸大学、●北海道大学、●九州大学
〔B級〕
●筑波大学、●横浜国立大学、●東京外国語大学、●お茶の水女子大学、▲大阪市立大学、▲大阪府立大学、▲国際教養大学、○上智大学、○国際基督教大学、○東京理科大学、●千葉大学、●電気通信大学、●東京農工大学、●名古屋工業大学、●京都工芸繊維大学、●広島大学、▲東京都立大学、▲名古屋市立大学、▲京都府立大学、○明治大学、○立教大学、○青山学院大学、○同志社大学、●岡山大学、●金沢大学、●東京学芸大学、●奈良女子大学、▲神戸市外国語大学、○中央大学、○関西学院大学、○立命館大学、○法政大学、○関西大学、○学習院大学、○芝浦工業大学、○豊田工業大学
〔C級〕
●熊本大学、●九州工業大学、●東京海洋大学、●埼玉大学、●滋賀大学、●静岡大学、●信州大学、▲横浜市立大学、○津田塾大学、○成蹊大学、●新潟大学、●小樽商科大学、●岐阜大学、●三重大学、▲兵庫県立大学、▲都留文科大学、▲愛知県立大学、○成城大学、○明治学院大学、○東京女子大学、○日本女子大学、○南山大学、●岩手大学、●宮城教育大学、●山形大学、●茨城大学、●宇都宮大学、●群馬大学、●富山大学、●福井大学、●山梨大学、●愛知教育大学、●京都教育大学、●大阪教育大学、●和歌山大学、●山口大学、●徳島大学、●香川大学、●愛媛大学、●長崎大学、●鹿児島大学、▲高崎経済大学、○東京電機大学、○東京都市大学、○工学院大学、○國學院大學、○武蔵大学、○北里大学、○東邦大学、○西南学院大学
〔D級上位・中位〕
●北海道教育大学、●弘前大学、●秋田大学、●福島大学、●豊橋技術科学大学、●奈良教育大学、●鳥取大学、●島根大学、●高知大学、●福岡教育大学、●佐賀大学、●大分大学、●宮崎大学、▲群馬県立女子大学、▲前橋工科大学、▲新潟県立大学、▲石川県立大学、▲福井県立大学、▲静岡県立大学、▲滋賀県立大学、▲広島市立大学、▲北九州市立大学、▲福岡女子大学、▲熊本県立大学、○近畿大学、○日本大学、○東洋大学、○文教大学、○名城大学、○立命館アジア太平洋大学、○京都女子大学、○同志社女子大学、●室蘭工業大学、●帯広畜産大学、●北見工業大学、●長岡技術科学大学、●上越教育大学、●兵庫教育大学、●鳴門教育大学、●琉球大学、▲公立はこだて未来大学、▲宮城大学、▲会津大学、▲山梨県立大学、▲奈良県立大学、▲島根県立大学、▲岡山県立大学、▲県立広島大学、▲福山市立大学、▲尾道市立大学、▲山口県立大学、▲下関市立大学、▲高知県立大学、▲高知工科大学、▲福岡県立大学、▲長崎県立大学、○獨協大学、○駒澤大学、○専修大学、○東京経済大学、○神田外語大学、○玉川大学、○神奈川大学、○立正大学、○二松學舎大学、○聖心女子大学、○学習院女子大学、○昭和女子大学、○大妻女子大学、○共立女子大学、○千葉工業大学、○愛知大学、○中京大学、○京都産業大学、○甲南大学、○龍谷大学、○関西外国語大学、○京都外国語大学、○大阪経済大学、○大阪工業大学、○佛教大学、○武庫川女子大学、○神戸女子大学、○神戸女学院大学、○福岡大学
〔D級下位〕
●筑波技術大学、▲釧路公立大学、▲公立千歳科学技術大学、▲札幌市立大学、▲青森公立大学、▲岩手県立大学、▲秋田県立大学、▲富山県立大学、▲公立小松大学、▲公立諏訪東京理科大学、▲長野大学、▲長野県立大学、▲福知山公立大学、▲公立鳥取環境大学、▲山陽小野田市立山口東京理科大学、▲宮崎公立大学、▲名桜大学、○大東文化大学、○東海大学、○亜細亜大学、○帝京大学、○国士館大学、○摂南大学、○神戸学院大学、○追手門学院大学、○桃山学院大学、○北海学園大学、○北星学園大学、○東北学院大学、○新潟国際情報大学、○金沢工業大学、○金沢星稜大学、○武蔵野大学、○拓殖大学、○産業能率大学、○東京農業大学、○東京家政大学、○跡見学園女子大学、○実践女子大学、○清泉女子大学、○白百合女子大学、○関東学院大学、○フェリス女学院大学、○千葉商科大学、○愛知学院大学、○名古屋外国語大学、○名古屋学芸大学、○愛知淑徳大学、○椙山女学園大学、○金城学院大学、○愛知工業大学、○ノートルダム清心女子大学、○安田女子大学、○広島修道大学、○広島工業大学、○福岡工業大学
〔E級〕
Fランク大学(BF大学除く)=例:「関東上流江戸桜」など
〔F級〕
BF(ボーダーフリー)大学
〔医・歯・薬・獣医〕
医(六年制課程)・歯(六年制課程)・薬(六年制課程および四年制課程)・獣医(六年制課程)
〔看護・保健〕
看護・保健・医療・栄養・リハビリテーションなどの学部(医学部や歯学部の四年制課程を含む)
〔体育関係〕
体育・スポーツなどの学部
〔芸術関係〕
芸術・音楽・美術・造形などの学部
この57.2万人の階層別の構成比をみると下図のとおりとなります。
描いていること自体は上のバブル図と同様なのですが、ここでは個別の構成比だけではなく、時計回りに累積としても見てらえればと思います。E級・F級は全体の20.2%を占めて大きな勢力ではあります。しかし、「東京一工」を指すS級から累積で見ていくと、S級は大卒生全体の上位1.3%、さらにS級+A級(「地方旧帝&早慶」)となると6.3%、B級まで含めると上位21.4%となります。つまりGMARCH・関関同立+金岡千広までで大卒生の5人に1人を占めるということになります。さらに日東駒専・産近甲龍レベルに当たるD級上位・中位まで含めると上位52.1%となり、大卒生の過半数を占めることとなります。D級下位以下、いわゆる「大東亜以下」となると上位から半分より下、それだけでなく専門技能や特殊技能をもつ序列外の大学の卒業生もD級下位より上だとすると、「大東亜以下」は上位約70%を抑えられた下ということになります。D級下位単体ですと約10%ありますので、「大東亜未満」のE級・F級は大学生全体の上位約80%を抑えられた下ということになります。
E級・F級が横並びの仲間は多いと思っていても、累積でみると少数派になるという当事者の自認ことが大切だと思うのです。
2.進路ごとの大学ランク階層の構成比
さて、先に示した通り旺文社の資料ではデータとして、卒業生総数ともに就職者数、進学者数、臨床研修医数、公務員就職者数、教員就職者数が掲載されています。この定義は文部科学省の「学校基本調査」で各大学に求められている報告事項と同じものとなっているようです。
このデータから、各進路に占める各階層の卒業者数をみてみます。なおここで「民間就職者数」と「その他」は以下のように算出しました。
民間就職者数=就職者数-(公務員就職者数+教員就職者数)
その他=卒業生総数-(就職者数+進学者数+臨床研修医数)
後でも示しますが、進路として最大閥である民間就職者の階層別比率傾向は全卒業生の傾向とほぼ同様です。
公務員就職については、『日本の学歴』でも記されていますように「基本的に公務員試験の合否に、在籍・出身大学の学歴ランクが影響することはない」んですが、集計結果からすると、卒業生総数に占める割合に比べ公務員就職者数での割合がB級・C級・D級上位・中位では大きくなっているのに対して、D級下位やE級・F級ではむしろ小さくなっています。民間就職での学歴フィルターなど関係なく下位大学が逆転できる公務員就職なのに、現実では下位大学はそこで追い付けず、むしろ上位に離されているのが窺われます。
一方で、教員就職者では、国立大学の教員養成課程も多いC級やD級上位・中位の割合も高いのですが、E級・F級の割合が高くなっているのが特徴です。E級・F級に含まれる教員就職者数の多い大学としては、岐阜聖徳学園大学(294人)、明星大学(219人)、鎌倉女子大学(217人)、秀明大学(189人)、白鷗大学(189人)、四天王寺大学(175人)、常葉大学(173人)、十文字学園女子大学(173人)、神戸親和女子大学(159人)、東北福祉大学(156人)、聖徳大学(151人)、大阪大谷大学(143人)、東京福祉大学(138人)、大和大学(136人)、筑紫女学園大学(133人)、名古屋女子大学(123人)、創価大学(123人)、畿央大学(122人)、皇學館大学(117人)、京都橘大学(101人)などが挙がります(数字は「医・歯・薬・獣医」「看護・保健」「体育関係」「芸術関係」らの学部からを除く教員就職者数)。
大学院等への進学者数については、S級・A級・B級という上位大学群で進学者数の半分近くを占めています。
3.大学ランク階層別進路構成
今度は、国立・公立・私立の大学設置別に進路別の卒業生の割合をみると以下のとおりです。大学全体では学部卒業生の約7割が民間就職となっており最大の進路となっています。
私立大学では76.9%が民間就職者であり、大学を出て民間企業等に勤める人がおおよそ4人中3人を占めいることになります。
他方、国立大学では民間就職者は40.7%であり、大学を出て民間企業等に勤める人が卒業生の半分もいないということです。大学院等への進学者が32.8%でおよそ3人に1人、公務員就職者+教員就職者+臨床研修医で20.5%でおよそ5人に1人という進路になっています。
一方、S級~F級の階層別に進路をみると以下のとおりです。東京一工のS級では学部卒業生の52.9%と過半数が大学院等へ進学しており、民間就職は34.6%と3人に1人程度に留まっています。地帝・早慶のA級では民間就職が52.3%と過半数になり、進学が34.2%と3人に1人程度となっています。
階層が下がるにつれて、民間就職の率が高まり進学の率が低くなってきますが、C級については公務員就職と教員就職の割合が他の階層より高くなっている特徴があります。
さらに、設置別かつ階層別に分けてみると、国立大学では階層が下がるにつれて進学の割合が下がっています。民間就職の率はそれほど階層別に差が無い一方で、公務員就職・教員就職の比率が階層が下がるごとに拡大していっています。
私立大学では、民間就職の割合が高止まりのまま、階層が下がるごとに進学と公務員就職の割合が低下しています。一方で階層が下がるごとに教員就職の割合が少しづつ高まっている傾向がみられます。
4.文系・理系別進路構成比
以上見てきた階層別の進路の構成比について、さらに文系・理系別にも分けてみます。
文系・理系の学部は下記のように分けました(「医・歯・薬・獣医」「看護・保健」「体育関係」「芸術関係」らの学部は含みません)。
文系=文・人文・文化・神・仏教・法・政策・政経・経済・経営・商・観光・国際・外国語・社会・福祉・心理・教養・教育・児童などの学部。
理系=理・工・理工・建築・情報・生物・農・水産・海洋・食品・生活・環境などの学部。
大雑把に言えば、文系は文学部、法学部、経済学部、経営学部、教育学部などのグループで、理系は理学部、工学部、農学部などのグループです。
まず階層ごとに設置別文理別に卒業生総数の絶対数で示すと下図のとおりです。B級、D級上位・中位、D級下位、E級・F級にて私立文系の突出が目立つところです。
これを階層ごとの比率で表すと下図のとおりとなります。上記のとおり私立文系の絶対数の多さが目立つB級、D級上位・中位、D級下位、E級・F級では卒業生の50%以上を私立文系が占めています。
国立大学だけで構成されているS級では理系のほうが多くなっています。一方で地帝・早慶で構成されるA級では概ね国立文系:国立理系:私立文系:私立理系=2:3:4:1の構成で文系の方が多くなっています。地方国立大学が集まるC級では国立大学の卒業生が過半数をしめており、文系と理系では文系が59.6%と約6割を占めています。
このような設置別文理別の割合が、先に示した階層別の進路の構成に影響しているんじゃないかと窺えるところです。
そこで、まず文理別に国立・公立・私立の設置別合計から進路の構成をみてみます。
文系は大学全体で学部卒業生の75.5%が民間就職に進んでいますが、国立大学については52.8%と半分強に留まっています。一方で国立大学からは13.1%が公務員就職、17.4%が教員就職となっており、両者合わせると30.5%を占めています。ここが私立文系と大きな違いとなっています。
一方、理系は大学全体で学部卒業生の59.1%と約6割が民間就職に進んでいますが、国立大学についてはその約半分となる30.9%に留まっています。国立大学では59.2%と約6割が大学院等への進学をしています。
それでは、文理別かつ国公私の設立別に、階層ごとの進路の構成比をみてみます。
まず国立文系についてみると、S級・A級では民間就職率が63.5%・63.6%と6割を超えていますが、それより階層が下がると民間就職率が下がって行きます。その一方で階層が下がると教員就職率の割合が高くなっていきます。D級上位・中位では31.9%が教員就職となっています。これは下位に教員養成単科の他、教育学部以外の文系学部が小規模(文学部・法学部・経済学部が独立しておらず「人文社会学部」などの一体化した1学部にされているところなど)な地方国立大学も多いことから、教員就職が目立って高い割合を占める結果となっているためです。東洋経済の「有名企業400社実就職率」では、分母において「卒業生数-進学者数」として、大学院等への進学者分を控除する処理をされていますが、公務員就職や教員就職については配慮はされていません。公務員や教員といった職種を有名企業400社と比して同等や優良と捉えるか不可と捉えるか議論の分かれるところかもしれませんが、少なくとも公務員は人気職種とされていますし、教員養成課程の学生からすれば第一志望となる教員就職が叶うことは成功と言えるでしょう。これら公務員就職や教員就職が優良な民間就職に加算されないことにより、地方国立大学は過小評価される数字が独り歩きしてしまっていると感じるところです。
他方、私立文系は、S級からD級下位まで民間就職者率が80%前後、E級・F級でも75%となっています。言うなれば、早慶~Fランに至るまで一貫して私文は民間就職主体となっています。
理系においては、国公私いずれでも「階層の上位から下位に下がるにつれ、進学率が低下する」という傾向を持っています。国立理系のS級に至っては学部卒業後82.2%が大学院等に進学しており、院に行くのが当然な世界観かと見て取れます。国立理系だとD級上位・下位であっても進学者率は39.7%に及んでおり、この割合は私立理系では上理・GMARCH・関関同立のB級に匹敵するレベルです。大学院に進むことが絶対的に正しい進路かどうかはわかりませんが、理・工・農といった分野ではより高度人材の輩出可能性も高まるものと予見できます。そのため、C級やD級上位・中位といった地方国立の理系から(専攻や職種による所もありますが)も院卒での優良企業への一本釣りでの就職が決まることも少なくないと聞きます。国立理系においては学部からの就活生は少ないものの、学部を出て大学院を経由しての就職では有名私立卒に負けない実績を持っているだろうと推測するところです。
以上見てきた階層別の進路の構成比について、さらに文系・理系別にも分けてみます。
文系・理系の学部は下記のように分けました(「医・歯・薬・獣医」「看護・保健」「体育関係」「芸術関係」らの学部は含みません)。
文系=文・人文・文化・神・仏教・法・政策・政経・経済・経営・商・観光・国際・外国語・社会・福祉・心理・教養・教育・児童などの学部。
理系=理・工・理工・建築・情報・生物・農・水産・海洋・食品・生活・環境などの学部。
大雑把に言えば、文系は文学部、法学部、経済学部、経営学部、教育学部などのグループで、理系は理学部、工学部、農学部などのグループです。
まず階層ごとに設置別文理別に卒業生総数の絶対数で示すと下図のとおりです。B級、D級上位・中位、D級下位、E級・F級にて私立文系の突出が目立つところです。
これを階層ごとの比率で表すと下図のとおりとなります。上記のとおり私立文系の絶対数の多さが目立つB級、D級上位・中位、D級下位、E級・F級では卒業生の50%以上を私立文系が占めています。
国立大学だけで構成されているS級では理系のほうが多くなっています。一方で地帝・早慶で構成されるA級では概ね国立文系:国立理系:私立文系:私立理系=2:3:4:1の構成で文系の方が多くなっています。地方国立大学が集まるC級では国立大学の卒業生が過半数をしめており、文系と理系では文系が59.6%と約6割を占めています。
このような設置別文理別の割合が、先に示した階層別の進路の構成に影響しているんじゃないかと窺えるところです。
そこで、まず文理別に国立・公立・私立の設置別合計から進路の構成をみてみます。
文系は大学全体で学部卒業生の75.5%が民間就職に進んでいますが、国立大学については52.8%と半分強に留まっています。一方で国立大学からは13.1%が公務員就職、17.4%が教員就職となっており、両者合わせると30.5%を占めています。ここが私立文系と大きな違いとなっています。
一方、理系は大学全体で学部卒業生の59.1%と約6割が民間就職に進んでいますが、国立大学についてはその約半分となる30.9%に留まっています。国立大学では59.2%と約6割が大学院等への進学をしています。
それでは、文理別かつ国公私の設立別に、階層ごとの進路の構成比をみてみます。
まず国立文系についてみると、S級・A級では民間就職率が63.5%・63.6%と6割を超えていますが、それより階層が下がると民間就職率が下がって行きます。その一方で階層が下がると教員就職率の割合が高くなっていきます。D級上位・中位では31.9%が教員就職となっています。これは下位に教員養成単科の他、教育学部以外の文系学部が小規模(文学部・法学部・経済学部が独立しておらず「人文社会学部」などの一体化した1学部にされているところなど)な地方国立大学も多いことから、教員就職が目立って高い割合を占める結果となっているためです。東洋経済の「有名企業400社実就職率」では、分母において「卒業生数-進学者数」として、大学院等への進学者分を控除する処理をされていますが、公務員就職や教員就職については配慮はされていません。公務員や教員といった職種を有名企業400社と比して同等や優良と捉えるか不可と捉えるか議論の分かれるところかもしれませんが、少なくとも公務員は人気職種とされていますし、教員養成課程の学生からすれば第一志望となる教員就職が叶うことは成功と言えるでしょう。これら公務員就職や教員就職が優良な民間就職に加算されないことにより、地方国立大学は過小評価される数字が独り歩きしてしまっていると感じるところです。
他方、私立文系は、S級からD級下位まで民間就職者率が80%前後、E級・F級でも75%となっています。言うなれば、早慶~Fランに至るまで一貫して私文は民間就職主体となっています。
理系においては、国公私いずれでも「階層の上位から下位に下がるにつれ、進学率が低下する」という傾向を持っています。国立理系のS級に至っては学部卒業後82.2%が大学院等に進学しており、院に行くのが当然な世界観かと見て取れます。国立理系だとD級上位・下位であっても進学者率は39.7%に及んでおり、この割合は私立理系では上理・GMARCH・関関同立のB級に匹敵するレベルです。大学院に進むことが絶対的に正しい進路かどうかはわかりませんが、理・工・農といった分野ではより高度人材の輩出可能性も高まるものと予見できます。そのため、C級やD級上位・中位といった地方国立の理系から(専攻や職種による所もありますが)も院卒での優良企業への一本釣りでの就職が決まることも少なくないと聞きます。国立理系においては学部からの就活生は少ないものの、学部を出て大学院を経由しての就職では有名私立卒に負けない実績を持っているだろうと推測するところです。
コメント
コメント一覧 (5)
minet333
がしました
コメントありがとうございます。
大学群っていろいろ浮かんでは消えていくもので定着する括りって数少ないですよね。
関東学院の現在値の評価とか、また何か定量的評価を作る中で大学群も検討したみようなかと思います。
minet333
がしました
条件付けした上での各種項目の分布状況を比較する、していくものと理解しています。
その意図や表示データが正しく伝わることを願ってます。
minet333
がしました
元のブログを見ても正当性にかける主観が多く入っている部分も多く、文理をごちゃ混ぜに就職力を評価してしまうという全くもっておかしいことをしてるように見えます
そのようなブログを参考に記事を書いてしまっていいのでしょうか
元ブログには国公立工学部は就職が強いと書いてありますし、ケースバイケースなのでそこはここでも言及するべきではと思います
minet333
がしました
やっぱり定量的な評価はあてにならんな
minet333
がしました