出生数が7年間で25%減ったとか、そのための少子化対策をどうするかとか、今さらながらに人口減の問題にあたふたせざるをえなくなってます。もうずいぶん前から指摘されてきたことなんですけどね。
子供の数が減ってくれば、当然学校への需要も減ってくる。大学の機能は18歳からの教育のためだけにあるのではないとはいえ、やはり学生が来ないのでは存在意義が問われ、運営の採算も付かなくなるでしょう。
とりあえずここでは、統計数値を元にしつつ将来18歳人口×大学進学率推移の想定から、大学への入学需要量がどう変化するか当ブログなりに占ってみます。
1.文部科学省『学校基本調査』基準での「18歳人口」の予測
現在の学制では、(一部で飛び級入学もあるけど)大学に入るのは満18歳以上。そこで、総務省統計局『人口推計』と将来予測値として国立社会保障・人口問題研究所『日本の将来推計人口』(2020年基準)から18歳人口を追ってみました。
戦後、多くの若者が復員してきて形成された第一次ベビーブームにより、1960年代後半に18歳人口が年間250万人近くにと極大化しました。これがいわゆる団塊の世代で、この団塊の世代の子供たちの世代が第二次ベビーブームの団塊ジュニアで、1990年代前半に年間200万人を超える高まりを形成してます。この2つのピークの間が谷を形成して一旦減少するが、それでも年間150万人を超えていました。この谷の中に1966年生まれの「ひのえうま」の1984年があって極端なクレパスをグラフ上に描いています。「丙午(ひのえうま)年の生まれの女性は気性が激しく、夫の命を縮める」との迷信から出産が避けられたようですね(ところで再来年の2026年がこの丙午の年となりますが、果たして再現してくるのでしょうか…?)。
この第二次ベビーブーム後、18歳人口は一貫しています。団塊ジュニアは別名就職氷河期世代とも言われ、バブル経済崩壊後の就職難からの経済的苦境を被った世代です。それが結局、結婚難・出産難と至り、結果、「第三次ベビーブーム」は発現しませんでした。個人の意思とか流行とか些末な話です。単純に経済情勢が左右したのです。失政の賜物と断じておいてよいと思います。人が増えるのが全てではないにせよ、若者への負担が大きいいびつな世代構成に陥っています。
そして、1991年にピークを迎えた後、2009年まで坂道を転げ落ちるように18歳人口は減り続けました。2010年以降は第三次ベビーブームの遺構とみられる緩やかな減少傾向が続いて今に至ります。
今後の予測される18歳人口については国立社会保障・人口問題研究所『日本の将来推計人口』に依りますが、直近の国勢調査である2020年基準での予測となっています。ここで18歳人口については、すでに2020年生まれまでは日本国内での出生数が確定していることから、海外との流出入という社会増減があるにせよ18年後の2038年まではおおよそ確からしい数値が予測されているとみられます。
2039年以降については、出生率の想定パターンで高位・中位・低位での推移が示されています。

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図4 18歳人口(学校基本調査)の推移と予測





図9 大学進学者数等の推移と予測

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表1 初設立年時期別階層別大学一覧(2024年10月時点)

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子供の数が減ってくれば、当然学校への需要も減ってくる。大学の機能は18歳からの教育のためだけにあるのではないとはいえ、やはり学生が来ないのでは存在意義が問われ、運営の採算も付かなくなるでしょう。
とりあえずここでは、統計数値を元にしつつ将来18歳人口×大学進学率推移の想定から、大学への入学需要量がどう変化するか当ブログなりに占ってみます。
1.文部科学省『学校基本調査』基準での「18歳人口」の予測
現在の学制では、(一部で飛び級入学もあるけど)大学に入るのは満18歳以上。そこで、総務省統計局『人口推計』と将来予測値として国立社会保障・人口問題研究所『日本の将来推計人口』(2020年基準)から18歳人口を追ってみました。
戦後、多くの若者が復員してきて形成された第一次ベビーブームにより、1960年代後半に18歳人口が年間250万人近くにと極大化しました。これがいわゆる団塊の世代で、この団塊の世代の子供たちの世代が第二次ベビーブームの団塊ジュニアで、1990年代前半に年間200万人を超える高まりを形成してます。この2つのピークの間が谷を形成して一旦減少するが、それでも年間150万人を超えていました。この谷の中に1966年生まれの「ひのえうま」の1984年があって極端なクレパスをグラフ上に描いています。「丙午(ひのえうま)年の生まれの女性は気性が激しく、夫の命を縮める」との迷信から出産が避けられたようですね(ところで再来年の2026年がこの丙午の年となりますが、果たして再現してくるのでしょうか…?)。
この第二次ベビーブーム後、18歳人口は一貫しています。団塊ジュニアは別名就職氷河期世代とも言われ、バブル経済崩壊後の就職難からの経済的苦境を被った世代です。それが結局、結婚難・出産難と至り、結果、「第三次ベビーブーム」は発現しませんでした。個人の意思とか流行とか些末な話です。単純に経済情勢が左右したのです。失政の賜物と断じておいてよいと思います。人が増えるのが全てではないにせよ、若者への負担が大きいいびつな世代構成に陥っています。
そして、1991年にピークを迎えた後、2009年まで坂道を転げ落ちるように18歳人口は減り続けました。2010年以降は第三次ベビーブームの遺構とみられる緩やかな減少傾向が続いて今に至ります。
今後の予測される18歳人口については国立社会保障・人口問題研究所『日本の将来推計人口』に依りますが、直近の国勢調査である2020年基準での予測となっています。ここで18歳人口については、すでに2020年生まれまでは日本国内での出生数が確定していることから、海外との流出入という社会増減があるにせよ18年後の2038年まではおおよそ確からしい数値が予測されているとみられます。
2039年以降については、出生率の想定パターンで高位・中位・低位での推移が示されています。
図1 18歳人口の推移と予測(総人口)
この高位~低位の幅の中で当ブログの作業上の仮設として1つの値を決めることとしました。あくまで当ブログ独自の想定値です。
まず、出生数については、厚生労働省『人口動態調査』にて既に2023年9月までの月別出生数が発表されていたため、これを前年10月~当年9月までを合算して将来推計人口と同じ10月1日時点の出生数を作成しました(1日ズレはしますけど)。この10/1時点に組み替えた出生数=満0歳児人口を18年後の将来推計人口と2031年以降で比較すると、海外からの流入超過があり総人口(将来推計人口)のほうが多くなっていますが、ほぼ平行した推移の関係となっています。
そこで2038年以降の2039年~2041年の18歳人口について、出生数の2020年生まれ(2038年)を起点に2023年生まれ(2041年)までの対前年増減率をとり、その増減率を18歳の将来推計人口の2038年を起点に2041年まで伸ばしました。
ここで、2041年の時点での位置は将来予測人口の出生率中位と低位の間にあり低位側に寄っていることから、当ブログでは「今後出生率低位側に収束していく」と仮説をして、「2050年に低位推計値に一致する」というストーリーとさせて頂きました。そこで、2041年の18歳人口として導いた745千人が低位推計の710千人の1.049倍となっていることから、これが2050年に1.000倍にとなるよう毎年低位推計値に対する倍率が縮小していくという計算で18歳人口を図2のように設定しました。
図2 2039年以降の18歳人口(総人口)の設定まず、出生数については、厚生労働省『人口動態調査』にて既に2023年9月までの月別出生数が発表されていたため、これを前年10月~当年9月までを合算して将来推計人口と同じ10月1日時点の出生数を作成しました(1日ズレはしますけど)。この10/1時点に組み替えた出生数=満0歳児人口を18年後の将来推計人口と2031年以降で比較すると、海外からの流入超過があり総人口(将来推計人口)のほうが多くなっていますが、ほぼ平行した推移の関係となっています。
そこで2038年以降の2039年~2041年の18歳人口について、出生数の2020年生まれ(2038年)を起点に2023年生まれ(2041年)までの対前年増減率をとり、その増減率を18歳の将来推計人口の2038年を起点に2041年まで伸ばしました。
ここで、2041年の時点での位置は将来予測人口の出生率中位と低位の間にあり低位側に寄っていることから、当ブログでは「今後出生率低位側に収束していく」と仮説をして、「2050年に低位推計値に一致する」というストーリーとさせて頂きました。そこで、2041年の18歳人口として導いた745千人が低位推計の710千人の1.049倍となっていることから、これが2050年に1.000倍にとなるよう毎年低位推計値に対する倍率が縮小していくという計算で18歳人口を図2のように設定しました。

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さて、上記のように描いた18歳人口(総人口)ですが、文部科学省の『学校基本調査』において大学進学率等の分母とされる「18歳人口」とは概念が一致しないところがあります。『学校基本調査』における18歳人口とは「3年前の中学校・義務教育学校卒業者及び中等教育学校前期課程修了者数」となっています。そのため、18歳人口は3月末で中学校相当を卒業した人数となります。
そこで、図1で示したこれまでの10月1日時点の『人口推計』値を『人口動態調査』から当該生年の月別出生数割合で案分した上で、前年4月~当年3月までで積算して想定3月末18歳人口(学年単位の総人口)を作成しました。
この想定3月末18歳人口を1965年度~2023年度までで学校基本調査の18歳人口と比較すると図3のとおりとなりました。当然のことながら高い相関となり、両者の関係は
「18歳人口(学校基本調査)」=「想定3月末18歳人口(総人口)」×0.99537
となり、作成した想定3月末18歳人口に99.537%を乗じたものが学校基本調査の値に相当するとの傾向を得ました。
この0.463%の縮小については、3年間での海外との流出入といった社会的増減の影響が考えられる他、なにより学校基本調査での18歳人口が「3年前の中学校・義務教育学校卒業者及び中等教育学校前期課程修了者数」となっていることから3年前の「特別支援学校中等部卒業者」が含まれていないことが原因にあると考えます。ちなみに、2023年で「中学校・義務教育学校・特別支援学校中等部卒業者及び中等教育学校前期課程修了者数」を分母として「特別支援学校中等部卒業者」を占める割合をみると0.951%を占めていました。(大きな人数じゃないけれど、学校基本調査は概念的に特別支援学校を含んだ18歳人口に変更すべきなのでは?と思う。遡及可能なものだし。国際的にはどーなんだろ。)
そこで、図1で示したこれまでの10月1日時点の『人口推計』値を『人口動態調査』から当該生年の月別出生数割合で案分した上で、前年4月~当年3月までで積算して想定3月末18歳人口(学年単位の総人口)を作成しました。
この想定3月末18歳人口を1965年度~2023年度までで学校基本調査の18歳人口と比較すると図3のとおりとなりました。当然のことながら高い相関となり、両者の関係は
「18歳人口(学校基本調査)」=「想定3月末18歳人口(総人口)」×0.99537
となり、作成した想定3月末18歳人口に99.537%を乗じたものが学校基本調査の値に相当するとの傾向を得ました。
この0.463%の縮小については、3年間での海外との流出入といった社会的増減の影響が考えられる他、なにより学校基本調査での18歳人口が「3年前の中学校・義務教育学校卒業者及び中等教育学校前期課程修了者数」となっていることから3年前の「特別支援学校中等部卒業者」が含まれていないことが原因にあると考えます。ちなみに、2023年で「中学校・義務教育学校・特別支援学校中等部卒業者及び中等教育学校前期課程修了者数」を分母として「特別支援学校中等部卒業者」を占める割合をみると0.951%を占めていました。(大きな人数じゃないけれど、学校基本調査は概念的に特別支援学校を含んだ18歳人口に変更すべきなのでは?と思う。遡及可能なものだし。国際的にはどーなんだろ。)
図3 18歳人口値の相関

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図2で示した2039年以降の当ブログの設定値も含め、2023年以降の将来予測値についても『人口動態調査』の月別出生数をもとに想定3月末18歳人口(学年の総人口)に置き換えた値を作成しました。なお、対応する月別出生数がまだない2041年10月以降(2023年10月生まれ以降)は過去20年の平均月別出生数を作成して充てました。
この想定3月末18歳人口に図3の99.537%の固定比率を乗じて求めた結果が下の図4の2027年以降の18歳人口となります。なお、学校基本調査の18歳人口が「3年前の中学校等の卒業者数」でなので、2023年の同数値が判明していることから、2026年まで同調査における18歳人口は既に決まっています。
この想定3月末18歳人口に図3の99.537%の固定比率を乗じて求めた結果が下の図4の2027年以降の18歳人口となります。なお、学校基本調査の18歳人口が「3年前の中学校等の卒業者数」でなので、2023年の同数値が判明していることから、2026年まで同調査における18歳人口は既に決まっています。
図4 18歳人口(学校基本調査)の推移と予測

この結果、今年2024年3月末=2024年度現役大学進学対象者層は106万人であり、2025年に109万人へと少し人口を戻したあと緩やかな減少が続いて、2034年は102万人とその年まで100万人を超えた状態が維持される見込みです。それが2034年を過ぎると急激に減少し、2035年が98万人、2036年が95万人、2037年が91万人、2038年が87万人、2039年が83万人、2040年が82万人、2041年が76万人へと、2034年からの7年間で26万人減少して、3/4の18歳人口規模へと一気に縮小する予測となりました。
なお、図2では年々直線的に減少するものと見込んでいるものが、図4では2039年から2040年の減少幅がその前後より小さく階段状になっています。これは、日本で実質2020年から深刻化したコロナ(covid-19)禍の影響とみられ、外出制限などの人的交流の抑制のためか2021年1月~3月の出生数が落ち込み、一方でその反動からか同年4月以降に出生数が持ち直した結果、特異な月別波動の影響が年度区切りにした際に出現したものです。
2.大学進学率の想定
なお、図2では年々直線的に減少するものと見込んでいるものが、図4では2039年から2040年の減少幅がその前後より小さく階段状になっています。これは、日本で実質2020年から深刻化したコロナ(covid-19)禍の影響とみられ、外出制限などの人的交流の抑制のためか2021年1月~3月の出生数が落ち込み、一方でその反動からか同年4月以降に出生数が持ち直した結果、特異な月別波動の影響が年度区切りにした際に出現したものです。
2.大学進学率の想定
大学進学者数を推計するのに、1で算出した将来の18歳人口に将来の大学進学率の予測を乗じて求めます。
そこで、これまでの大学・短大への進学率・進学者数をみると図5のとおりです。
大学・短大ともに1975年まで進学率が上昇します。その後いったん進学率・進学者とも拡大は落ちつきますが、1987年頃から進学者数が急増し、大学・短大とも第二次ベビーブームの団塊ジュニアの時代に再度進学者数・進学率の拡大となりました。それと同じくして1986年に男女雇用機会均等法が制定されて女性の社会進出が促されて、女子の四年制大学への進学指向へと影響を与え始めました。さらに1991年の大学設置基準の大綱化が行われると四年制大学の設置が容易となり、また、三年制だった看護系短大部を中心に四年制へと移行が進み、大学+短大の高等教育機関への進学率は上昇を続けるものの1994年をピークに短期大学への進学率は低下へと転じました。
図5 大学・短大への進学者数・進学率の推移そこで、これまでの大学・短大への進学率・進学者数をみると図5のとおりです。
大学・短大ともに1975年まで進学率が上昇します。その後いったん進学率・進学者とも拡大は落ちつきますが、1987年頃から進学者数が急増し、大学・短大とも第二次ベビーブームの団塊ジュニアの時代に再度進学者数・進学率の拡大となりました。それと同じくして1986年に男女雇用機会均等法が制定されて女性の社会進出が促されて、女子の四年制大学への進学指向へと影響を与え始めました。さらに1991年の大学設置基準の大綱化が行われると四年制大学の設置が容易となり、また、三年制だった看護系短大部を中心に四年制へと移行が進み、大学+短大の高等教育機関への進学率は上昇を続けるものの1994年をピークに短期大学への進学率は低下へと転じました。

この流れから、四年制大学への進学率は、「高等教育への進学意向」と「短大志望の四年制への付け替え」という2つの背景が合わさって拡大してきているものと考えます。
そこで、第二次ベビーブームが終わり人口減少期に入り、かつ、短大進学率の潮目が変わったということで1994年以降の大学・短大の進学率(=進学者数/18歳人口(学校基本調査))の推移の傾向をみてみました(進学者数には過年度卒業者も含む)。大学・短大・大学+短大の各年の進学率をExcelに入力の上、図6のようにグラフ描写し、簡易に時系列推移の近似曲線を表示させて、もっとも相関係数の高い近似曲線を表しました。そうすると、3つとも相関係数の高い近似線が得られましたが、この期間は先に記した2つの背景から大学進学率ができているとした仮説から、今後の傾向については、大学+短大の二次直線による値から短大の縮小傾向の指数曲線による値を除したものを今後の大学進学率の時系列推移の値として充てることとしました。
図6 進学率・志願率の推移と近似曲線そこで、第二次ベビーブームが終わり人口減少期に入り、かつ、短大進学率の潮目が変わったということで1994年以降の大学・短大の進学率(=進学者数/18歳人口(学校基本調査))の推移の傾向をみてみました(進学者数には過年度卒業者も含む)。大学・短大・大学+短大の各年の進学率をExcelに入力の上、図6のようにグラフ描写し、簡易に時系列推移の近似曲線を表示させて、もっとも相関係数の高い近似曲線を表しました。そうすると、3つとも相関係数の高い近似線が得られましたが、この期間は先に記した2つの背景から大学進学率ができているとした仮説から、今後の傾向については、大学+短大の二次直線による値から短大の縮小傾向の指数曲線による値を除したものを今後の大学進学率の時系列推移の値として充てることとしました。

図6にて、もう一つ志願率(=志願者数/18歳人口(学校基本調査))についても進学率と同様に検討しました(志願者数は当該年高校卒業の現役のみ)。志願者がいないと進学者は発生しないためです。
ここでは大学+短大での時系列的な相関は得られませんでした。手元で学校基本調査の調査票形式が確認できなかったため分かりませんが、志願については大学と短大とで双方に志願を出していた生徒の数がダブルカウントになっているんじゃないかと推察するところです。そこで志願率については大学のみの近似曲線の傾向を採用しました。
この進学率と志願率の各々の傾向線を2050年まで伸ばして示したのが図7です。
これをみると、進学率の伸びよりも志願率の伸びのほうが鈍いため、その結果2033年で逆転が生じました。過年度卒業生分の差から進学率のほうが高めに出るとはいえ、現役進学が現在高まっている中で先々はいよいよ誤差と見ても差し支えないかと考えます。そしてこの2033年には「現役で大学進学を志願さえすれば進学できる」という状況の「全入化」な状態になるとみられます。
そうなると、進学率は2033年を境に志願率=進学率となり、進学率は2033年以降は志願率の推移の値を取ると当ブログでは考え、大学進学者数推計ではこのやや屈曲した変化の率を与えることとします。
ここでは大学+短大での時系列的な相関は得られませんでした。手元で学校基本調査の調査票形式が確認できなかったため分かりませんが、志願については大学と短大とで双方に志願を出していた生徒の数がダブルカウントになっているんじゃないかと推察するところです。そこで志願率については大学のみの近似曲線の傾向を採用しました。
この進学率と志願率の各々の傾向線を2050年まで伸ばして示したのが図7です。
これをみると、進学率の伸びよりも志願率の伸びのほうが鈍いため、その結果2033年で逆転が生じました。過年度卒業生分の差から進学率のほうが高めに出るとはいえ、現役進学が現在高まっている中で先々はいよいよ誤差と見ても差し支えないかと考えます。そしてこの2033年には「現役で大学進学を志願さえすれば進学できる」という状況の「全入化」な状態になるとみられます。
そうなると、進学率は2033年を境に志願率=進学率となり、進学率は2033年以降は志願率の推移の値を取ると当ブログでは考え、大学進学者数推計ではこのやや屈曲した変化の率を与えることとします。
図7 進学率・志願率の推移と予測

3.高校偏差値57以上者数の検討
ここで、大学進学者数とは別に、もう一つ人数に関する値を計算してみたいと思います。
大学コンサルタントの山内太地氏はYouTubeチャンネルにて「偏差値57高校の壁」という見解を出されております。ここで、(主に高校数の多い大都市部での話としてですが)高校偏差値が57以上の高校だと今後とも一般入試に挑む傾向が強い学力主義で、それ未満だと推薦などによる大学進学になるという見立てをされています。
そこで、高校入試偏差値57以上の生徒数(高校偏差値57以上者数)がどれぐらいのいるのかというのを単純計算してみます。もちろん概念として「偏差値57以上の高校の生徒数≠高校入試偏差値57以上の生徒数」ではあるのですが、ある程度の目安になろうかと考えました。
偏差値57とは、標準正規分布とした場合の累積確率で母集団の上位24.20%となります。ここでの母集団、高校への進学者数よりも、高校に進学したいとして模試などを受けた生徒数、すなわち志願者数とするのが妥当かと当ブログでは考えます。そこで、『学校基本調査』より中学校・義務教育学校の高校等志願者数および中等教育学校での高校等進学者数(自校内での持ち上がりに関しての志願が明示されていないため進学者数を充てた)を累積して「高校志願者」として、それに24.2%を乗じて2023年中学卒業者まで(2026年に18歳となる者まで)のうちの「高校偏差値57以上者数」を求めました(高校等志願者には高等専門学校志望者などを含む)。
2027年以降の志願者数を求めるために、これまでの高校等志望率の推移をみると(図8)、1978年以降95%超を維持し、2013年には97.1%に達していました。しかし、その後徐々に低下して2023年には94.2%に至りました。ただ、高校への志願率が落ちたかと言って高校への進学率が低下したとは一概には言えず、通信制も含めた進学率では98.7%に至っています。つまり、全日制の高校受験とは別の進学パターンの比率が徐々に拡大している模様です。これによって模試を受けるような高校受験の偏差値形成が今後どうなるか分かりませんが、ひとまず今回は足元の状況から将来的な志願率を94%と固定させて頂き、2027年以降の「高校偏差値57以上者数」を、図4の「18歳人口(=3年前の中学等卒業者数)」×94%×24.2%ととして求めました。
図8 中学校卒業生における高校進学志願者数・志願率等ここで、大学進学者数とは別に、もう一つ人数に関する値を計算してみたいと思います。
大学コンサルタントの山内太地氏はYouTubeチャンネルにて「偏差値57高校の壁」という見解を出されております。ここで、(主に高校数の多い大都市部での話としてですが)高校偏差値が57以上の高校だと今後とも一般入試に挑む傾向が強い学力主義で、それ未満だと推薦などによる大学進学になるという見立てをされています。
そこで、高校入試偏差値57以上の生徒数(高校偏差値57以上者数)がどれぐらいのいるのかというのを単純計算してみます。もちろん概念として「偏差値57以上の高校の生徒数≠高校入試偏差値57以上の生徒数」ではあるのですが、ある程度の目安になろうかと考えました。
偏差値57とは、標準正規分布とした場合の累積確率で母集団の上位24.20%となります。ここでの母集団、高校への進学者数よりも、高校に進学したいとして模試などを受けた生徒数、すなわち志願者数とするのが妥当かと当ブログでは考えます。そこで、『学校基本調査』より中学校・義務教育学校の高校等志願者数および中等教育学校での高校等進学者数(自校内での持ち上がりに関しての志願が明示されていないため進学者数を充てた)を累積して「高校志願者」として、それに24.2%を乗じて2023年中学卒業者まで(2026年に18歳となる者まで)のうちの「高校偏差値57以上者数」を求めました(高校等志願者には高等専門学校志望者などを含む)。
2027年以降の志願者数を求めるために、これまでの高校等志望率の推移をみると(図8)、1978年以降95%超を維持し、2013年には97.1%に達していました。しかし、その後徐々に低下して2023年には94.2%に至りました。ただ、高校への志願率が落ちたかと言って高校への進学率が低下したとは一概には言えず、通信制も含めた進学率では98.7%に至っています。つまり、全日制の高校受験とは別の進学パターンの比率が徐々に拡大している模様です。これによって模試を受けるような高校受験の偏差値形成が今後どうなるか分かりませんが、ひとまず今回は足元の状況から将来的な志願率を94%と固定させて頂き、2027年以降の「高校偏差値57以上者数」を、図4の「18歳人口(=3年前の中学等卒業者数)」×94%×24.2%ととして求めました。

4.大学進学者数等の推移と予測結果
上記に示した18歳人口と大学進学率の想定から、将来の大学進学者数とこれまでの推移を合わせたのが図9です。併せて高校偏差値57以上者数も描きました。
その結果、大学進学者数は現在想定している大学進学率の伸び(図9中の赤線)が続くなら、2025年から2034年まで65万人を超える規模をキープし、大学業界としては「最後のボーナス期」を迎えるものとみられます。入学者最大は2029年の66.5万人が見込まれます(図9中の黒実線)。
ただし、その後は大学進学率が依然上昇したとしても18歳人口の減少スピードに抗えずに大学進学者数は大幅に減少するとみられ、2042年には50.5万人へと2034年からのわずか8年間で15.3万人、一気に23.3%減となるとみられます。2042年以降はやや減少率が落ち着くとみられるものの、依然緩やかな減少が続くと当ブログではみています。
一方、大学進学率について、前出の山内太地氏は「60%ぐらいで頭打ちじゃないのか」との旨の見解を示されております。今回の当ブログの想定値では2050年には71.6%に至りますが、現在の高卒での就業機会を踏まえても、20年以上先の将来とは言えさすがに「70%を超えるか?」って感はあります。そこで、山内氏指摘の大学進学率60%を上限としての推移も描いてみました(図9中の黒点線)。大学進学率が2024年以降も伸びる予想ですが2027年には60%に至ります。そこから60%を維持すると、すなわち60%を固定値として18歳人口に乗じ続けると、要は18歳人口の減少がそのまま大学進学者数の減少に直結して2028年から早くも入学者減の事態に大学業界が見舞われることになるだろうということになります。
上記に示した18歳人口と大学進学率の想定から、将来の大学進学者数とこれまでの推移を合わせたのが図9です。併せて高校偏差値57以上者数も描きました。
その結果、大学進学者数は現在想定している大学進学率の伸び(図9中の赤線)が続くなら、2025年から2034年まで65万人を超える規模をキープし、大学業界としては「最後のボーナス期」を迎えるものとみられます。入学者最大は2029年の66.5万人が見込まれます(図9中の黒実線)。
ただし、その後は大学進学率が依然上昇したとしても18歳人口の減少スピードに抗えずに大学進学者数は大幅に減少するとみられ、2042年には50.5万人へと2034年からのわずか8年間で15.3万人、一気に23.3%減となるとみられます。2042年以降はやや減少率が落ち着くとみられるものの、依然緩やかな減少が続くと当ブログではみています。
一方、大学進学率について、前出の山内太地氏は「60%ぐらいで頭打ちじゃないのか」との旨の見解を示されております。今回の当ブログの想定値では2050年には71.6%に至りますが、現在の高卒での就業機会を踏まえても、20年以上先の将来とは言えさすがに「70%を超えるか?」って感はあります。そこで、山内氏指摘の大学進学率60%を上限としての推移も描いてみました(図9中の黒点線)。大学進学率が2024年以降も伸びる予想ですが2027年には60%に至ります。そこから60%を維持すると、すなわち60%を固定値として18歳人口に乗じ続けると、要は18歳人口の減少がそのまま大学進学者数の減少に直結して2028年から早くも入学者減の事態に大学業界が見舞われることになるだろうということになります。
図9 大学進学者数等の推移と予測

注釈付きグラフはこちら
もう一つ描きました高校偏差値57以上者数をみると、第二次ベビーブーム期の1992年が最も人数が多く47.5万人となっていました。その後、(固定比率を乗じているだけですから当然のことながら)人口減少と比例して現在は25.5万人まで減少し、同世代の中の相対的上層人口が縮小しています。
18歳人口だけみれば、第一次ベビーブームのほうが年間の人数が多いのですが、そもそもその頃は図8のように高校に志願しない生徒が3割もいて中卒で働き始める時代でしたので、当然のことながら大学への進学率も低く、高校を卒業して働き始める人が大多数でした。そのため、計算上の偏差値57以上者数は大学進学者よりも圧倒的に多く、すなわち、同世代内での想定的な優秀者が高卒であちらこちらの職場に散っていたものと推察されます。それらの方々が日本の強い産業を築いていたと思わずにはいられません。
しかし、その第一次ベビーブームの方々=団塊の世代において、やはり大卒と高卒・中卒との差は痛いほど感じられたであろうことは想像に難くありません。サラリーマンで資産を持たない家庭ほど「子供に学歴だけは」と躍起になったことでしょう。ただ、同世代人口が第二次ベビーブームに向けて増える中、大学進学率は25%程度で推移します。つまり勉強できる子はなんとか大学へと当時あった大学へと殺到、翻ると、当時存在していた大学の下位層まで同世代の中の想定的優秀層が進学していったということが計算上想定されます。図9で示した値から、高校偏差値57以上者数÷大学進学者数を計算すると1982年~1991年まで90%を超える状態です。もちろん図5のとおり当時は短大への進学も多く、特に女子の優秀層が短大にも流れていたでしょうから、当時の大学生の9割以上が高校偏差値57以上だとは言いませんが、相当に多くの相対的優秀層が流れ込んでいただろうとは思います。
ちなみに、2023年での高校偏差値57以上者数÷大学進学者数は40.3%となっています。これがさらに2050年には31.8%に至る計算となっています。
表1は現在の階層イメージで設立年代別に大学名を列記したものです。現在の階層上位の大学のほとんどは第一次ベビーブーム=団塊の世代の学生時には立ち現れていました。第二次ベビーブームの団塊ジュニアには、当時の新設大学よりも、「大学に行くなら少なくとも1950年代以前に出来たとこに行け!」と言われたという話も聞きますが、できるだけ古参の大学に行けという風潮がありました。今と当時とでは階層イメージは異なるでしょうが、大学行くなら「(当時の)できるだけ高難易度の階層へ」「できるだけ古参へ」そして「できるだけ都会へ」という流れから都会での「私大バブル」と言われる高難易度化が起きました。そのため、相対的伝統校である日東駒専・産近甲龍・大東亜、あるいはそれら以下の大学群にも相対的優秀層が流れ込んだものです。80~90年代に大学の教員をやっていた方が「あの頃はウチの大学にも優秀な子がいた」と振り返って話をするのは、決して懐古趣味ではなく同世代人口が多かった時代の事実なんだと思います(階層については次回投稿で改めて記します)。
そんな団塊ジュニアの時代、例えば1992年に受験をした人たちは1996年に卒業し(氷河期を超えて)就職、働き始めて8年後の30歳で結婚して翌年の2005年に子供誕生。その子が18歳になったのが2023年の今年。そう、今が失われた第三次ベビーブームの中にあるのです。
競争の激しかったベビーブームを過ごした親世代にとって今の大学受験の変容ってどう映るんでしょうね。
18歳人口だけみれば、第一次ベビーブームのほうが年間の人数が多いのですが、そもそもその頃は図8のように高校に志願しない生徒が3割もいて中卒で働き始める時代でしたので、当然のことながら大学への進学率も低く、高校を卒業して働き始める人が大多数でした。そのため、計算上の偏差値57以上者数は大学進学者よりも圧倒的に多く、すなわち、同世代内での想定的な優秀者が高卒であちらこちらの職場に散っていたものと推察されます。それらの方々が日本の強い産業を築いていたと思わずにはいられません。
しかし、その第一次ベビーブームの方々=団塊の世代において、やはり大卒と高卒・中卒との差は痛いほど感じられたであろうことは想像に難くありません。サラリーマンで資産を持たない家庭ほど「子供に学歴だけは」と躍起になったことでしょう。ただ、同世代人口が第二次ベビーブームに向けて増える中、大学進学率は25%程度で推移します。つまり勉強できる子はなんとか大学へと当時あった大学へと殺到、翻ると、当時存在していた大学の下位層まで同世代の中の想定的優秀層が進学していったということが計算上想定されます。図9で示した値から、高校偏差値57以上者数÷大学進学者数を計算すると1982年~1991年まで90%を超える状態です。もちろん図5のとおり当時は短大への進学も多く、特に女子の優秀層が短大にも流れていたでしょうから、当時の大学生の9割以上が高校偏差値57以上だとは言いませんが、相当に多くの相対的優秀層が流れ込んでいただろうとは思います。
ちなみに、2023年での高校偏差値57以上者数÷大学進学者数は40.3%となっています。これがさらに2050年には31.8%に至る計算となっています。
表1は現在の階層イメージで設立年代別に大学名を列記したものです。現在の階層上位の大学のほとんどは第一次ベビーブーム=団塊の世代の学生時には立ち現れていました。第二次ベビーブームの団塊ジュニアには、当時の新設大学よりも、「大学に行くなら少なくとも1950年代以前に出来たとこに行け!」と言われたという話も聞きますが、できるだけ古参の大学に行けという風潮がありました。今と当時とでは階層イメージは異なるでしょうが、大学行くなら「(当時の)できるだけ高難易度の階層へ」「できるだけ古参へ」そして「できるだけ都会へ」という流れから都会での「私大バブル」と言われる高難易度化が起きました。そのため、相対的伝統校である日東駒専・産近甲龍・大東亜、あるいはそれら以下の大学群にも相対的優秀層が流れ込んだものです。80~90年代に大学の教員をやっていた方が「あの頃はウチの大学にも優秀な子がいた」と振り返って話をするのは、決して懐古趣味ではなく同世代人口が多かった時代の事実なんだと思います(階層については次回投稿で改めて記します)。
そんな団塊ジュニアの時代、例えば1992年に受験をした人たちは1996年に卒業し(氷河期を超えて)就職、働き始めて8年後の30歳で結婚して翌年の2005年に子供誕生。その子が18歳になったのが2023年の今年。そう、今が失われた第三次ベビーブームの中にあるのです。
競争の激しかったベビーブームを過ごした親世代にとって今の大学受験の変容ってどう映るんでしょうね。
表1 初設立年時期別階層別大学一覧(2024年10月時点)

鮮明な表はこちら
今回の投稿は大学進学者という大学への需要側についてみてみました。
次回投稿では、今度は大学側の供給を分析し、今回の将来需要の予測を踏まえて将来の大学存続可能性を占ってみたいと思っています。
(っていうか、今回の内容って次回の内容のための下準備ってとこなんです)
次回投稿では、今度は大学側の供給を分析し、今回の将来需要の予測を踏まえて将来の大学存続可能性を占ってみたいと思っています。
(っていうか、今回の内容って次回の内容のための下準備ってとこなんです)

コメント
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minet333
が
しました